<< 2009年09月
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930

「保守」と「自民党」に関する幾つかの雑感

2009/09/22 07:20

 

 しばしば「保守」「真正保守」という言葉を目にする。自民党総裁選においても、「自民党は保守政党であるべきだ」という主張を多々見かけます。そこで「「保守」とは何ぞや?」「「保守」とはどうあるべき?」ということについて、過去の自民党と総裁選候補・ネット上の意見などから見て、自分なりに感じたことを・・・。

 

【保守主義の基本的な概念】

 

【アメリカの保守主義はどうなるか――リベラル派オバマ氏の当選で】

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/786686

より抜粋・・・

 

保守主義とは

 

 ①政府の民間への介入を最小限に抑える「小さな政府」を推し、

 ②減税とともに自由競争や自助努力を重視する。

 ③対外的には軍事力による抑止や自由民主主義に基づく外交を重んじる。

 ④社会的には個人の自由、伝統的な価値観の保持を唱える。

 

 基本路線として、まったく異論はありません。

 

自民党は保守政党だったのか】

 

 今までの自民党は・・・

 

「保守主義」を実践してきたのか?

 保守政党だったのか?

 

 上記の保守主義の定義を基に考えるならば、③しか当てはまらないのではないか?

 

 ①何かしら問題が生じると消費者庁の設置・またはスポーツ庁設置案が出てくるように、自民党は極力「小さな政府」であろうとなど考えていない事が判る。

 ②公共事業多発してきた過去や、昨今の「減税よりバラマキ指向」から見えるように自由競争や自助努力を軽視する傾向が強い。

 ④党内に様々なイデオロギーを抱えたため、個人の自由を尊重しようと考えているのか見えにくい。また伝統的な価値観にしても、「日本の伝統的な価値観とは?」というものが総裁が替わるたびに変るので、明確ではない。

 

 少なくとも私にはこのように見える。

 

 自民党総裁選を見ていても、谷垣・西村・・両氏の主張には「全体主義・国家主義」的なものばかりを感じる。これでは今までの自民党と何も変らないではないか。また、谷垣・西村・・両氏を推す方々の意見を見たり聞いても、復古主義的な・・・現状認識できていないのでは?というものばかりだと感じる。上記に挙げた「保守主義」に沿った「保守」であることを主張しているのは「河野太郎」だけです。河野太郎が過激に見えるのは、今までの自民党が保守政党ではなかったからだと確信しています。「保守政党であること」を自民党に望むのであれば、河野太郎が総裁になる選択しかないと思います。

 

 思うに、今までの自民党とは、保守政党でも何でも無く「タカ派国家主義政党」であっただけだ。谷垣・西村の両氏の主張からもそう思う。

 

【真正保守とは反動的保守だ】

 

 ネット上でしばしば見かける・・「稲田朋美を自民党総裁に」「真正保守は、稲田朋美を総裁にして平沼グループと共に行動すべき・・」などという意見は、「自民党は保守政党」であるべきならば・・笑えるものでしかなかった。

 

 稲田朋美のHP・実績を見て感じたのは、彼女の意見や行動は、総じて見ると保守でも何でも無く・・今まで以上の「反動的かつ極右国家主義政党としての自民党」を求めているだけに過ぎないということです。もちろん稲田朋美の主張や活動にも評価すべきモノがあるとは思いますけど、あれは単に「反動的保守」の一側面でしかない。稲田氏の多くの主張は、平沼グループと同様に、国家主義・共産主義の考えに極めて近いもので、「個人の自由」「自由競争」を尊重する保守という考え方からは極めて遠いものだ。

 

 日本の伝統とは、閉塞感が強い時代には、新たな概念・文化・イノベーションを率先して外から取り入れ、既存のものと融合させ日本的なものを作り上げてきたことです。島国の日本が、自国内の発展だけでは周囲との競争に勝てなくなると、既存のものを”そのまま”守ることに拘らず、新たな血を入れる努力をしてきたし、新たなものを上手く取り入れることで活性化してきた。なのに、「明治から昭和の間の日本」を良しとし、そこへ回帰することが「日本の伝統を守ること」のように勘違いしている方を多く見かける。

 

 これは「反動」という意味での「保守」でしかないのだと思う。いわゆる「真正保守」と称している方々の主張は、反動的保守・復古主義・懐古主義でしかない。

 

 日本の「保守」とは、過去の日本が行ってきたように、日本の既存のモノを、新たなモノと融合させて、既存の良い所を残しつつ新たな日本的なモノを作ることだと思う。例えば、「天皇制」という日本独自の良き知恵を維持しながらも、天皇家にとっても国・国民にとっても、より良い意義有るものに発展させていくことが「保守の目指すべきこと」なのだと思う。

 

 「保守」という概念には、様々な方向性を含みうる包容力がある。だから反動的保守の考え方も保守の一部にはあるということも理解出来る。

 

 しかし、保守原理主義に陥らない程度には、冒頭に載せた・・保守の基本的な概念を明確に堅持すべきなのだと思う。

 

【保守政党としての自民党の今後】

 

 今まで自民党は「政権与党」でありさえすればよく、議席を確保してくれる議員であれば、イデオロギーにしろ、政策の方向性にしろ拘らずにきた。要は、社民党・共産党ほど極端なイデオロギーの持ち主でなければそれで良い・・という感じだ。民主党と比較しても外交安全保障政策の方針以外に大きな違いを見出せない。この事は政党内で「疑似政権交代」を行うには都合が良かった。

 

 しかし政党間の政権交代が今後生じる事となった以上、「保守主義」を堅持する政党を自民党が目指すならば、「保守主義に純化した議員」のみが所属すべきであろうと思う。加藤紘一を筆頭とする左派などは、率先して民主党なり社民党なりに移籍してもらうべきだと思う。麻生・古賀・町村・鳩山クニオ・稲田などの国家主義者も、国民新党なり平沼グループへ移籍してもらうべきだろう。

 

 各々のイデオロギーの受け皿になりうる政党があるのだから移籍すればいいのだ。

 

 自民党というブランドを回復する気があるならば、保守政党という立場を打ち出すべきならば、自民党自体のイデオロギーと方針・所属議員に対してのリストラが必要なのです。

 

カテゴリ: 政治も  > 政局    フォルダ: 政界再編

コメント(14)  |  トラックバック(4)

 
このブログエントリのトラックバック用URL:

http://sei7810.iza.ne.jp/blog/trackback/1235245

コメント(14)

コメントを書く場合はログインしてください。

 

2009/09/22 08:15

Commented by RAM さん

おはようございます。・・・うふふ・・・

ちょっと古いけれど、TB付けさせてくださいね。

 
 

2009/09/22 08:48

Commented by 湯煙の中の一杯 さん

RAMさん

おはようございます

>・・・うふふ・・・

。。゛(ノ><)ノ ヒィ
RAMさんの「うふふ・・・」がこえぇぇぇぇぇ!

>ちょっと古いけれど、TB付けさせてくださいね。

 RAMさんのエントリは全て読み、かなりの部分で納得しましたから、影響されている所も確実にあるのだろうと思います。

 
 

2009/09/22 08:57

Commented by RAM さん

わははは、
連休中に、更新しない予定でしたので、
ちょうど良い「手抜き」をさせていただきました。

前半は、カミさんの店の改造工事で、今日は身体がヘロヘロ、
さらに、明日は、うちの犬がドッグショウに出ますので、
まともな更新が出来ないのです。
TBで、お茶を濁させて頂けて、ありがとうございます。

 
 

2009/09/22 09:50

Commented by 天津風 さん

おはようございます

ここ2、3年ほど「保守とは何か」を書物読みつつ考えてきましたが、その中で自由主義経済に行き着いたりもしました。
勉強不足の奴、自覚しろよ(怒)

>日本の「保守」とは、過去の日本が行ってきたように、日本の既存のモノを、新たなモノと融合させて、既存の良い所を残しつつ新たな日本的なモノを作ること

正に、我が「民族性」です。私は「他文化吸収能力」なんて言ったりしますが、吸収した後昇華するんですよね。(消化で行くと血肉となり・・・て言い方もできます)
右の某泡沫政党関連では、これが通じない人もいたりします。中学生でも分かること(私だけか?)ですから、このくらいは知っておいて欲しいですよね。本来、「維新」とはこの事ですから。

保守を名乗る「実は保守でない人」については拙ブログの過去エントリにあるので、TBさせていただきます。m(_ _)m

 
 

2009/09/22 12:58

Commented by 湯煙の中の一杯 さん

RAMさん

>わははは、
>連休中に、更新しない予定でしたので、
>ちょうど良い「手抜き」をさせていただきました。

 (⌒▽⌒)アハハ!
どぞどぞ、ご自由にご利用くださいませ。

>前半は、カミさんの店の改造工事で、今日は身体がヘロヘロ、
>さらに、明日は、うちの犬がドッグショウに出ますので、
>まともな更新が出来ないのです。
>TBで、お茶を濁させて頂けて、ありがとうございます。

 お忙しいのは良いことですよ~仕事じゃなくても(笑
何につけ「やらなければならないことがある」というのは、人の劣化を防ぐものだと思っています。

 
 

2009/09/22 13:03

Commented by 湯煙の中の一杯 さん

天津風さん

こんにちは~

>ここ2、3年ほど「保守とは何か」を書物読みつつ考えてきましたが、その中で自由主義経済に行き着いたりもしました。
>勉強不足の奴、自覚しろよ(怒)

 自由主義経済も含めて、「自由」「自尊」「自立」という3点は、保守主義に限らず、民主主義を健全に運営するための基本だと思います。この3点においては、どれが欠けても民主主義でもなく保守でもないと私は思います。

>正に、我が「民族性」です。私は「他文化吸収能力」なんて言ったりしますが、吸収した後昇華するんですよね。(消化で行くと血肉となり・・・て言い方もできます)
>右の某泡沫政党関連では、これが通じない人もいたりします。中学生でも分かること(私だけか?)ですから、このくらいは知っておいて欲しいですよね。本来、「維新」とはこの事ですから。

 革新系の発想と異なり、保守の発想の基本には、既存のモノを否定しないという側面があると思います。しかし既存のモノを維持するだけでなく、改善・発展させることを指向するところにこそ保守の真髄があると思っています。

>保守を名乗る「実は保守でない人」については拙ブログの過去エントリにあるので、TBさせていただきます。m(_ _)m

 了解しました。後ほど拝見させていただきます。

 
 

2009/09/23 10:23

Commented by 故郷求めて さん

私がセーフティネットについて言っていた、かねてからの主張と同じ事を、河野太郎が言っています。個人や民間企業がリスクをとるからこそ、セーフティネットがいる、というのは世界的常識でしょう。

綱渡りをするために安全網がいるのであって、石橋が架けられているところにセーフティネットを張るような事を言うのは「大きな政府」論者に他なりません。

セーフティネットの前提条件をきちっと話さない谷垣氏の口からセーフティネットという言葉が出るのは、詭弁ですね。

 
 

2009/09/23 11:09

Commented by 湯煙の中の一杯 さん

故郷求めてさん

おはようございます

 西村は論外として、・・・

 谷垣を見ていると、社会の制度設計などできていないことがよく判りますよね。仰るようなセーフティネットに関してもそうです。小泉路線を否定するなら何故セーフティネットが必要なのかさっぱり判らない。仰るように「リスクをとるからこそ、セーフティネットが必要」なわけですからね。

 結局・・今までの自民党と同様に、何か問題が生じたら、国費を使って手当てすれば良いって程度の脳しか持ってませんね。

 
 

2009/09/23 11:57

Commented by jaramu さん

お邪魔いたします。

保守の役割とは、次代により良い形で日本を継承させることが第一義と考えますので、今日、時代への過渡期にある日本において、保守に徹すれば必然的にリベラルにならざるを得ないものと考えます。

民族主義に傾いた安倍元首相を推す人達は認めませんが、日本なくして伝統の継承はあり得ませんので、あくまでも伝統の継承は、改革のその上にあるものであり、二次的なことになるものと考えます。

そのような今日の状況とは、これまでテーブルの上にあったものを新たに乗せ換える時にあるのだと考えます。

新たなモノやコトが増えれば、どうしても古いものを下さなくてはならず、全てをテーブルの上に乗せて置くことは不可能であると考えます。

そのため高齢化問題や、少子化問題、教育、雇用、さらには在日の件や様々な人権に関する問題は、自民党自らが積極的に解決するべき問題でありました。

しかし、それをしてこなかったため、今回民主党によって歪なあり方で解決されてしまう事態となってしまいましたが、自民党は完全に時代の流れを読み違えておりました。

これまでの自民党の考える自身たちにとって都合のいい改革などは、あり得ないものと考えます。

お邪魔いたしました。

 
 

2009/09/23 15:01

Commented by nihonhanihon さん

「保守=右の国家主義」としてこの語句が通している現実があると思います。
議論の時にお互いがどういう意味で使っているのか「翻訳」しないと混迷を深めるばかりかと思っています。

 
 

2009/09/23 17:15

Commented by staro さん

湯煙の中の一杯さん

自民党支持者は「保守」を「タカ派」と勘違いし、
「ハト派」を「リベラル」と勘違いしていますよね
これは左翼のマスコミが意図的に(護憲などの問題ですね)洗脳した結果、
大量に生産されたのだと思います
産経や読売もその意図に乗ってしまった、それが現状ですね
新聞、テレビを視聴しているのは老人です
そして選挙権を支配しているのも老人です
財産を独占しているのも老人です
私たちの国は老害によって破壊されつつあります

リベラル政策は子供たちのみ
老人は切り捨てるべきです
派遣切りも雇用法制の不備、解雇権の確立からの逃避でした
結局、左翼労組との衝突を恐れた自民党の失政ですね
老人のみ優遇したツケが民主党政権誕生という漫才になりました
報道機関を支配している者たちも老人です
子孫を食い物にする民族の末路は考えたらわかりますよね






 
 

2009/09/23 17:15

Commented by 湯煙の中の一杯 さん

jaramuさん

はじめまして、コメントありがとうございます

 改革を継続していくということが第一というご意見には賛同いたしますが、改革をドラスティックに行う必要があるのか?と言えば、是々非々なのではないでしょうか?

 私はそう考えていますので、伝統の継承を軽視する必要は無いと思います。伝統の継承を考慮することで、まったく改善できないというケースがあるのであれば、その際は致し方のない場合もあるのでしょうけどね。

 
 

2009/09/23 17:19

Commented by 湯煙の中の一杯 さん

nihonhanihonさん

こんにちは

>「保守=右の国家主義」としてこの語句が通している現実があると思います。
>議論の時にお互いがどういう意味で使っているのか「翻訳」しないと混迷を深めるばかりかと思っています。

 仰る通りかと思います。

 右翼左翼、タカ派ハト派、保守革新等々・・・概念を整理しておかなければならないでしょうね。タカ派の国家社会主義者を真正保守などという括りで呼び合う姿は喜劇でしかありません。

 
 

2009/09/23 17:26

Commented by 湯煙の中の一杯 さん

staroさん

こんにちは

>自民党支持者は「保守」を「タカ派」と勘違いし、
>「ハト派」を「リベラル」と勘違いしていますよね
>これは左翼のマスコミが意図的に(護憲などの問題ですね)洗脳した結果、
>大量に生産されたのだと思います
>産経や読売もその意図に乗ってしまった、それが現状ですね
>新聞、テレビを視聴しているのは老人です
>そして選挙権を支配しているのも老人です
>財産を独占しているのも老人です
>私たちの国は老害によって破壊されつつあります

 仰る事に異論はありません。

>リベラル政策は子供たちのみ
>老人は切り捨てるべきです
>派遣切りも雇用法制の不備、解雇権の確立からの逃避でした
>結局、左翼労組との衝突を恐れた自民党の失政ですね
>老人のみ優遇したツケが民主党政権誕生という漫才になりました
>報道機関を支配している者たちも老人です
>子孫を食い物にする民族の末路は考えたらわかりますよね

 概ね賛同します。個人的には、「石川参蔵さん」が以前言ってた・・「日本は一度ダメになるしかないのかも・・」という感覚に陥っています。衝撃的な現実に突き当たるまで変らないのだ思っています。ですから、staroさんほどの怒りを表現できないでいます。それでも息子のためにと思うと、何かしら述べずには居られない・・・そういう半端な感覚が私の現状です。

 
 
トラックバック(4)

2009/09/22 09:51

自称保守について [思索への通ひ路]

 

前回、靖国神社参拝の話をしました。 ビラ配り終わってから懇親会となったのですが、その時経済の話や、選挙に関して民主党政権の後についての話が出ました。 それを振り返って、自称保守について考えたいと思います…

 

2009/09/22 08:24

保守を自称する皆様へ・・・ [只今、考え中…]

 

以前に、ここで引用させて貰った古森義久氏のエントリでの 「保守主義」の定義を再掲しましょう。 保守主義とは ①政府の民間への介入を最小限に抑える「小さな政府」を推し、 ②減税とともに自由競争や自助努力を重視…

 

2009/09/22 08:18

保守を自任する皆様へ・・・その11(保守とは何かを考える5) [只今、考え中…]

 

「明日のことを考えるのが保守」と、 先のエントリで書きました。 最初の定義 ①政府の民間への介入を最小限に抑える「小さな政府」を推し、 ②減税とともに自由競争や自助努力を重視する。 ③対外的には軍事力による抑…

 

2009/09/22 08:17

保守を自任する皆様へ・・・その7(保守とは何かを考える1) [只今、考え中…]

 

古森義久氏のエントリ 【アメリカの保守主義はどうなるか――リベラル派オバマ氏の当選で】 http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/786686 で、米国における「保守」の定義がでていました。 保守主義とは ①政府の民間…