しばしば「保守」「真正保守」という言葉を目にする。自民党総裁選においても、「自民党は保守政党であるべきだ」という主張を多々見かけます。そこで「「保守」とは何ぞや?」「「保守」とはどうあるべき?」ということについて、過去の自民党と総裁選候補・ネット上の意見などから見て、自分なりに感じたことを・・・。
【保守主義の基本的な概念】
【アメリカの保守主義はどうなるか――リベラル派オバマ氏の当選で】
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/786686
より抜粋・・・
《保守主義とは》
①政府の民間への介入を最小限に抑える「小さな政府」を推し、
②減税とともに自由競争や自助努力を重視する。
③対外的には軍事力による抑止や自由民主主義に基づく外交を重んじる。
④社会的には個人の自由、伝統的な価値観の保持を唱える。
基本路線として、まったく異論はありません。
【自民党は保守政党だったのか】
今までの自民党は・・・
「保守主義」を実践してきたのか?
保守政党だったのか?
上記の保守主義の定義を基に考えるならば、③しか当てはまらないのではないか?
①何かしら問題が生じると消費者庁の設置・またはスポーツ庁設置案が出てくるように、自民党は極力「小さな政府」であろうとなど考えていない事が判る。
②公共事業多発してきた過去や、昨今の「減税よりバラマキ指向」から見えるように自由競争や自助努力を軽視する傾向が強い。
④党内に様々なイデオロギーを抱えたため、個人の自由を尊重しようと考えているのか見えにくい。また伝統的な価値観にしても、「日本の伝統的な価値観とは?」というものが総裁が替わるたびに変るので、明確ではない。
少なくとも私にはこのように見える。
自民党総裁選を見ていても、谷垣・西村・・両氏の主張には「全体主義・国家主義」的なものばかりを感じる。これでは今までの自民党と何も変らないではないか。また、谷垣・西村・・両氏を推す方々の意見を見たり聞いても、復古主義的な・・・現状認識できていないのでは?というものばかりだと感じる。上記に挙げた「保守主義」に沿った「保守」であることを主張しているのは「河野太郎」だけです。河野太郎が過激に見えるのは、今までの自民党が保守政党ではなかったからだと確信しています。「保守政党であること」を自民党に望むのであれば、河野太郎が総裁になる選択しかないと思います。
思うに、今までの自民党とは、保守政党でも何でも無く「タカ派国家主義政党」であっただけだ。谷垣・西村の両氏の主張からもそう思う。
【真正保守とは反動的保守だ】
ネット上でしばしば見かける・・「稲田朋美を自民党総裁に」「真正保守は、稲田朋美を総裁にして平沼グループと共に行動すべき・・」などという意見は、「自民党は保守政党」であるべきならば・・笑えるものでしかなかった。
稲田朋美のHP・実績を見て感じたのは、彼女の意見や行動は、総じて見ると保守でも何でも無く・・今まで以上の「反動的かつ極右国家主義政党としての自民党」を求めているだけに過ぎないということです。もちろん稲田朋美の主張や活動にも評価すべきモノがあるとは思いますけど、あれは単に「反動的保守」の一側面でしかない。稲田氏の多くの主張は、平沼グループと同様に、国家主義・共産主義の考えに極めて近いもので、「個人の自由」「自由競争」を尊重する保守という考え方からは極めて遠いものだ。
日本の伝統とは、閉塞感が強い時代には、新たな概念・文化・イノベーションを率先して外から取り入れ、既存のものと融合させ日本的なものを作り上げてきたことです。島国の日本が、自国内の発展だけでは周囲との競争に勝てなくなると、既存のものを”そのまま”守ることに拘らず、新たな血を入れる努力をしてきたし、新たなものを上手く取り入れることで活性化してきた。なのに、「明治から昭和の間の日本」を良しとし、そこへ回帰することが「日本の伝統を守ること」のように勘違いしている方を多く見かける。
これは「反動」という意味での「保守」でしかないのだと思う。いわゆる「真正保守」と称している方々の主張は、反動的保守・復古主義・懐古主義でしかない。
日本の「保守」とは、過去の日本が行ってきたように、日本の既存のモノを、新たなモノと融合させて、既存の良い所を残しつつ新たな日本的なモノを作ることだと思う。例えば、「天皇制」という日本独自の良き知恵を維持しながらも、天皇家にとっても国・国民にとっても、より良い意義有るものに発展させていくことが「保守の目指すべきこと」なのだと思う。
「保守」という概念には、様々な方向性を含みうる包容力がある。だから反動的保守の考え方も保守の一部にはあるということも理解出来る。
しかし、保守原理主義に陥らない程度には、冒頭に載せた・・保守の基本的な概念を明確に堅持すべきなのだと思う。
【保守政党としての自民党の今後】
今まで自民党は「政権与党」でありさえすればよく、議席を確保してくれる議員であれば、イデオロギーにしろ、政策の方向性にしろ拘らずにきた。要は、社民党・共産党ほど極端なイデオロギーの持ち主でなければそれで良い・・という感じだ。民主党と比較しても外交安全保障政策の方針以外に大きな違いを見出せない。この事は政党内で「疑似政権交代」を行うには都合が良かった。
しかし政党間の政権交代が今後生じる事となった以上、「保守主義」を堅持する政党を自民党が目指すならば、「保守主義に純化した議員」のみが所属すべきであろうと思う。加藤紘一を筆頭とする左派などは、率先して民主党なり社民党なりに移籍してもらうべきだと思う。麻生・古賀・町村・鳩山クニオ・稲田などの国家主義者も、国民新党なり平沼グループへ移籍してもらうべきだろう。
各々のイデオロギーの受け皿になりうる政党があるのだから移籍すればいいのだ。
自民党というブランドを回復する気があるならば、保守政党という立場を打ち出すべきならば、自民党自体のイデオロギーと方針・所属議員に対してのリストラが必要なのです。


by 湯煙の中の一杯
難民と官僚組織のどちらが悪い…